エンブリオM8-1:マート御乱心

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アイキャッチ[蝕世のエンブリオ] 蝕世のエンブリオ

今回は、蝕世のエンブリオミッションの通算31番目、第8回1番目「マート御乱心」を進めていきます。

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攻略手順

ル・ルデの庭H-5テンキー6あたりにいるMaatに話しかけ、イベントを見ます。

ル・ルデの庭にいるMaatの場所

ル・ルデの庭にいるMaat

イベントを見た後、ジュノ下層H-10テンキー6あたり(ジャンク屋マックビクスの奥の部屋)にいるMuckvixに話しかけ、イベントを見ます。

ジュノ下層にいるMuckvixの場所

ジュノ下層にいるMuckvix

イベントを見た後、ジュノ下層J-5テンキー8あたり(モグハウス前)にいるMiladi-Nildiに話しかけ、イベントを見ます。

ジュノ下層にいるMiladi-Nildiの場所

ジュノ下層にいるMiladi-Nildi

イベントを見た後、バタリア丘陵J-7テンキー6あたり(洞窟の前)にあるGoblin Festival Siteを、ヴァナ・ディール時間の18:00~6:00の間に調べ、イベントを見ます。

バタリア丘陵にあるGoblin Festival Siteの場所

バタリア丘陵にあるGoblin Festival Site

イベントを見た後、再度Goblin Festival Siteを調べると、コンフロント戦でのバトルになります。イベントを見ていれば、コンフロント戦のバトルは時間に関係なくいつでも可能です。倒された時の経験値ロスト無し。

コンフロント戦でMaatとの戦い

バトルに勝利した後、再度Goblin Festival Siteを調べ、イベントを見ます。

イベントを見た後、ル・ルデの庭H-5テンキー6あたりにいるMaatに話しかけ、イベントを見ます。

マートとのバトル

ある意味、ウランマフランとの戦いよりも、マートとの戦いの方が厄介でした。

マートは、SPアビリティのマイティストライク、百烈拳、女神の祝福、魔力の泉、連続魔、絶対回避を、何度も使ってきます。ただ、SPアビはランダムで使用するのではなく、SPアビの発動タイミングになったときに、こちらがどんな行動をしたか、で、使用するSPアビが決まっているような感じがします。

例えば、フェイスが弱体魔法を次々詠唱している場合は連続魔で範囲弱体魔法を連発してきたり、一緒に戦うミュモルが精霊魔法を使ったタイミングで魔力の泉を使ってきたり、みんなでタコ殴りにしているときはマイティストライク・百烈拳・絶対回避を使ってきたり。

そして、一撃で大ダメージを与えると、高確率で女神の祝福。これが本当に厄介でした。

勝利までの道のり

大ダメージに反応して女神の祝福を使ってくる、というのは前情報として仕入れていたので、WSは使わず、手数勝負で挑んでみました。
構成:マトン盾、ライオンII、ミュモルII、コルモル、ウルミア、シャントットII

  • 1回目
    フェイスのWSにマトンが反応して連携、連携の度に女神の祝福を使われて時間切れ。
  • 2回目
    フェイスのWSにマトンが反応して連携、連携の度に女神の祝福を使われて時間切れ。

女神の祝福が厄介です。ウランマフランを倒したときの構成はどうだろう…試してみました。
構成:マトン盾、アークGK、アークMR、イロハII、セルテウス、イングリッド

  • 3回目
    フェイスのWSにマトンが反応して連携、連携の度に女神の祝福を使われて時間切れ。
  • 4回目
    フェイスのWSにマトンが反応して連携、連携の度に女神の祝福を使われて時間切れ。

うーん、最初の構成と結果は変わらなかったです。じゃあ、WSをあまり使わない、回復厚めの構成はどうだろう。
構成:マトン盾、ブリジット、コルモル、クピピ、セルテウス、ウルミア

  • 5回目
    セルテウスのWSにマトンが反応して連携、連携の度に女神の祝福を使われて時間切れ。
  • 6回目
    セルテウスのWSにマトンが反応して連携、連携の度に女神の祝福を使われて時間切れ。
  • 7回目
    セルテウスのWSにマトンが反応して連携、連携の度に女神の祝福を使われて時間切れ。

ここまでくると、大ダメージに反応して女神の祝福を使ってくるというより、連携に反応して使ってきている印象。こうなったら支援フェイス中心に。
構成:マトン盾、シルヴィ(UC)、ヨアヒム、ウルミア、クルタダ、クピピ

  • 8回目
    クルタダのWSにマトンが反応して連携、連携の度に女神の祝福を使われて時間切れ。

クルタダのWSが盲点でした。やっぱり、連携に反応してる…?
ここで方針転換。マトン盾をやめて射撃マトンに変更し、本体とマトンで連携して大ダメージで一気に沈めてしまおう作戦。マトンの射撃スキルを最大まで上げてから、再挑戦しました。
構成:アークEV、シルヴィ(UC)、ヨアヒム、ウルミア、クピピ、射撃マトン

  • 9回目
    マートが連続魔で範囲弱体連発し、AAEVの回復が追い付かず倒されてしまったため、逃げ。

連続魔のサイレガが結構しんどい。セルテウスを入れて回復してもらおう。
構成:アークEV、シルヴィ(UC)、セルテウス、ウルミア、クピピ、射撃マトン

  • 10回目
    セルテウスのWSにマトンが反応して連携、連携の度に女神の祝福。さらにマートが連続魔で範囲弱体連発し、AAEVの回復が追い付かず倒され、逃げ切れず全滅。

あー、セルテウスを入れたらダメなんだった。盾役はそのままで、本体とマトンが攻撃の要になるように構成。
構成:アークEV、シルヴィ(UC)、ウルミア、コルモル、クピピ、射撃マトン

  • 11回目
    マートが連続魔で範囲弱体連発し、AAEVの回復が追い付かず倒されてしまったため、逃げ。
  • 12回目
    早めにオーバードライヴを使い、火マニューバ×3で連携準備をしたら、なぜかマトンが攻撃しなくなる。TP待ちの間にマートが連続魔で範囲弱体連発し、AAEVの回復が追い付かず倒され、逃げ切れず全滅。
  • 13回目
    早めにオーバードライヴを使い、風マニューバ×1と火マニューバ×2でTP3000溜めて連携しようとしたら、連携直前に女神の祝福を使われる。次の連携タイミングを待っている間に本体がタゲを取ってしまい、一撃150前後+吸収600を3回攻撃され即死。ヘイストII+マチマチ+装備DA/TAで片手1,000ダメージ前後の百烈拳状態だった。
  • 14回目
    早めにオーバードライヴを使い、風マニューバ×1と火マニューバ×2でTP3000溜めて連携しようとしたら、先にマトンがWSを撃ってしまった。本体が連携〆をしたらタゲを取ってしまい、一撃150前後+吸収600を3回攻撃され即死。〆のドラゴンブローで25,000ダメージくらい。
  • 15回目
    早めにオーバードライヴを使い、風マニューバ×1と火マニューバ×2でTP3000溜めて連携開始。ドラゴンブローを撃った瞬間に、マートがマイティストライクと女神の祝福を同時発動し回復。その後も連携スタートするとドラゴンブロー(25,000ダメージくらい)に反応して女神の祝福発動という状態が続き、時間切れ。

WSを撃つとタゲを取りやすいので、思い切って盾2枚構成。
構成:ヴァレンラール、シルヴィ(UC)、メネジン、コルモル、クピピ、射撃マトン

  • 16回目
    マートの体力を半分まで減らせたが、オーバードライヴがリキャスト待ちだったので通常連携。残り体力1/4くらいまで減らしたところで女神の祝福を使われ、直後にヴァレンラールが倒されたため、仕切り直すため逃げ。

盾2枚構成はあまり意味ないかも。もう一度セルテウスを入れて、マトンを白魔法特化にして、回復を回復に力を入れてみる。
構成:ヴァレンラール、シルヴィ(UC)、セルテウス、コルモル、クピピ、白魔法マトン

  • 17回目
    マートが連続魔連発モードに。サイレガ連発で回復手段を封じられ、ヴァレンラールが倒されたため、逃げ。

フェイス盾だと、マトン盾に比べて不安定になりやすいので、マトン盾復活。マトンなら、魔法を封じられてもアタッチメントとリペアーで回復できるので。
攻撃手段を本体+マトンのみにして、ブドウ大福サポ戦オータスで攻撃をセーブせずやってみる。
構成:マトン盾、シルヴィ(UC)、ウルミア、コルモル、クピピ、サクラ

  • 18回目
    本体の火力が高すぎて頻繁にタゲを取ってしまい、何度目かのタゲを取った際に、マートの夢想阿修羅拳+吸収で即死。

火力を抑えるため、サポ白へ。ブドウ大福とオータスはそのまま。ミュモルへの応援をなるべく切らさないようにしてみよう。
構成:マトン盾、シルヴィ(UC)、ウルミア、ヨアヒム、コルモル、クピピ

  • 19回目
    5,000を超えるダメージがほとんどなかったのに、マートの体力に関係なく女神の祝福連発。気のせいか、マトンの挑発に合わせて女神の祝福を発動しているような…?時間切れ。

もしかして、フェイス無しでゆっくり削ったらいいんじゃないかと思い、本体は見てるだけ、マトンとミュモルで攻撃してもらう作戦。
構成:マトン盾のみ

  • 20回目
    マトンの攻撃は400~500くらい+ボーンクラッシャーで5,000くらい。ミュモルは300~500くらい+精霊魔法で4,000~5,000くらい。それでも一定間隔くらいで女神の祝福連発。ミュモルにエモートで応援したけど何の効果もなし。
  • 21回目
    20回目と同様。マトンの挑発に合わせて高確率で女神の祝福を使ってくるような気がする。たまたまサイクルが合ってるだけ?

もう一度、全力構成で行ってみる。
構成:ヴァレンラール、シルヴィ(UC)、アークGK、コルモル、クピピ、射撃マトン

  • 22回目
    全員が最大火力で行くと、30秒おきに女神の祝福。マートの推定体力20万くらいありそう。女神発動回数が増えると吸収ダメージも増える?残り5分くらいでタゲを取ってしまったら、一撃150+吸収1,800で即死。

全力構成のとき、合計で70,000以上のダメージを与えたけど、マートの体力ゲージが半分以上残っていた…本当にマートの体力は70,000くらいなのか疑問。
ひとつ気になったのは、射撃マトンがWSを撃つタイミングと、女神の祝福のタイミングが同じだったこと。これ、もしかして…。
ひとつの疑惑を確認するために、装備をタリア+2一式から真膝丸一式に変更し、物理ダメージカット系の装備に変更し、自分が盾+攻撃役、フェイス全員支援系にして挑戦。
構成:シルヴィ(UC)、ヨアヒム、ウルミア、コルモル、クピピ、マトンなし

  • 23回目
    サポ白。食事なし。WS封印。ひたすらオートアタックだけ。フェイスから手厚いケアル。マートは絶対回避・マイティ・連続魔・魔力の泉・マイティ・連続魔・マイティの順でSPアビを使ってきたけど、一度も女神の祝福を使うことなく、あっさり勝利。

結論:からくり士は、マトンを使うな

マートは、マトンのアビリティ発動やWS発動に反応して、女神の祝福を高確率で使用する可能性がありそうです。そして、マトンがいるだけで体力が増加している可能性もある!?

もちろん、大ダメージに反応して女神の祝福を使うこともあると思いますが、それに加えて「マトンが罠」になっている気がしてなりません。

あと、ミュモルに対してエモートで応援すると、マートが範囲技を使わなくなったり、ミュモルが大ダメージを出すようになる、という件。
ミュモルのイベントで使用しているマクロで20回目と21回目に応援しまくってみましたが、何の変化もなく、個人的には信憑性を疑う結果となりました。これもマトンがいたせい、なのかなぁ。

ストーリー

レルフィーが久しぶりにマートの元を訪れると、マートが何やら体中を痛がっていた。

「うぐぐ……。何もしとらんのに体中が痛いわい。知らんうちに青あざやら生傷やら増えとる。こりゃあいったいどうしたことか。……妙な病気か謎の呪いか。はたまたどこかのエージェントに狙われておるのか? 『いやならやめてもいいんじゃぞ』と言ったがために、新米冒険者から恨みをかってしもうたか……?」

ぶつぶつと愚痴をこぼすマートに、レルフィーは心配の声をかけた。

「よくわかっとるな。そうじゃて、そうじゃて。そんなお前さんにひとつ、頼みごとをしてみようかのう」

お前さんにひとつ、頼みごとをしてみようかのう

マートの話によると、先日ちゃらちゃらした女性がゴブリンと共にやってきて、新しいショーのために鍛えてほしいと頼み込んできたという。差し入れももらい、本人の熱意も筋も良さそうだったが、そのヒラヒラした服装が気が散ると指摘したところ、「ずっと同じ服で何が悪いの!? アイドル失格!?」と大騒ぎになり、そのまま出て行ってしまったらしい。

「いやぁ……乙女心というのは複雑じゃ。ワシほどの歳になってもようわからん。……ん? よう考えると、そん時あたりからじゃな……。ワシの調子が悪くなったのは……。まあ、関係あるかどうかはわからんが、お前さんに頼みたいのはその彼女のことなのじゃ」

マートは、彼女が騒ぎの最中に忘れていったという「布張りのバスケット」をレルフィーに手渡した。

「そうじゃな……まずは、ジュノ下層のジャンク屋マックビクスに行けば、何かわかるんじゃなかろうか。あそこのゴブリンが連れてきた女性だったからのう。よろしく頼んだぞ」


レルフィーはジュノ下層へ向かい、ジャンク屋のマックビクスを訪ねた。

「……ン? なんじゃ? ある女性を捜しておるのじゃと? ああ、あの娘っこ! 『勇冥祭(ゆうめいさい)』がらみの件じゃな!?」

マックビクスの話によれば、勇冥祭とはゴブリン族の危機や世界が絶望に包まれようとしている時に行われる、悲しくも重要な祭りらしい。最近各地で「蝕世の卵」が異常な数発見されており、ゴブリンたちの不安を鎮めるために開催が計画されていた。

なんじゃ?ある女性を捜しておるのじゃと?

「勇冥祭は悲しい祭りじゃから、今どき風に出し物も用意せにゃ、楽しくならんかなと思うてな。人間からひとり、腕の立つ芸人を募集したというわけじゃ。じゃが……その娘っこは思ったより弱くてのう。手っ取り早く己の限界を突破してもらおうかとマートのところへ連れていったのじゃ」

忘れ物を届けたいと伝えると、マックビクスはしぶしぶ娘の居場所を教えてくれた。ファンが押しかけるから秘密にしてくれと言われていたようだが、出し物がお蔵入りになった今となっては騒ぎにもならないだろうという判断だ。

「案内図を書いてやるから、ジュノ下層のレンタルハウス前にいるタルタル族の兵士に見せるといいぞ。兵士の名前は確かミラディニルディじゃ。彼が娘っこの家まで道案内してくれるじゃろうて。それにしても……あの影が現れる限り、祭りはできん……どうにかならんものか……」


マックビクスから受け取った「娘っこの家の案内図」を手に、レルフィーはミラディニルディを訪ねた。

ゴブリンが書いた案内図を持っているのか

「……ほう、珍しい。ゴブリンが書いた案内図を持っているのか。いいだろう、道案内をしてやろう」

案内された部屋の扉を開けると、そこには見覚えのあるアイドルの姿があった。

「は~い、ファンからのお届け物ですか~? そこらへんに投げておいてください~」
「いえ、あの、忘れ物ですよ!」

そこらへんに投げておいてください~

レルフィーの言葉に、ミュモルは慌てて顔を上げた。

「えっ!? ま、まさか!? そ、それ、いったいどこにあったの!?」

レルフィーがこれまでの経緯を説明すると、ミュモルは観念したように息を吐いた。

「……レルフィー、あなた……いろいろぜ~んぶ聞いてしまったようね……。そうよ、あたし、アイドルとして一皮むけるために新しい扉を開くことにしたの。獣人のゴブリンとガールズデュオを組んで、世界を相手にどこまでできるか試したくなったのよ」

彼女はアイドルとしての現状に退屈しており、装いも新たに歌もダンスも倍増し、火薬も三倍にした新作を披露しようと意気込んでいた。しかし、マートにアイドルを全否定され、いじけていたのだという。

マートにアイドルを全否定されいじけていた

「……ハッ! も、もしかして、これって魔王ウルゴアの魔の手!? ……そんなわけなさそうね。ナレーションも流れてこないし」

すると……。

ナレーション「そんなミュモルに今、新たな大ニュースが襲いかかるのだ」

突然流れてきたナレーションにミュモルが驚いていると、モーグリのクポリエッタが慌てて飛び込んできた。

「たいへんクポ、たいへ~んクポ! 勇冥祭、できないかもしれないって言われたクポ! あの噂のせいクポ……。恐ろしい噂のせいクポ……」

たいへんクポ、たいへ~んクポ!

噂によると、バタリア丘陵の東の方で夜な夜な怪しい影が暴れており、目撃者は皆「見てはならないものを見てしまった」と言い残してジュノを去ってしまうのだという。

「……な、なんてこと! バタリア丘陵の東の方って勇冥祭の舞台じゃない!?」
「そうクポ。祭事のゴールになっているだいじな洞窟がある場所クポ。だから、あの怪しい影がうろついている限り祭りは無理そうって言われたクポ」
「ハッ! も、もしかして、それって魔王ウルゴアの魔の手!? ……そんなわけなさそうね。ナレーションも流れてこないし」
「そこでミュモルは怪しい影をやっつけることにしたのだった!」
「……そう、そうよ! 運命は自分の力で切り開かないと! ただ……このままではソロガール。これじゃ、完全な力を発揮することはできないわ。そこで、あなたの出番。今こそ、あたしとデュオを組む時!」

レルフィーはミュモルの強引な誘いに乗り、デュオを組むことになった。

あたしたちはそう!デュオ『マリトッツォ』!

「ありがとう! あたしたちはそう! デュオ『マリトッツォ』! パッフパフのあったかいハートからあま~いラブがあふれ出ちゃう。パクっとサクっと怪しい影をやっつけちゃおう! バタリア丘陵へしゅっぱーつ!」


その日の夕方、レルフィーとミュモルはバタリア丘陵の洞窟付近を探索していた。
あたりが暗くなり始めた頃、遠くから何者かが向かってくるのが見えた。

「……えっ??? あれって……マート!? だいぶ思い切ったメイクをしたものね……!」

現れたのは、奇妙なメイクのようなものを施されたマートだった。

奇妙なメイクのようなものを施されたマート

「……ハッ! そうか、読めたわ! だからあんなにアイドル全否定……。あなた! 魔王ウルゴアの手下だったのね!? こうなったら、あたしたち『マリトッツォ』のアイドルパワーで目を覚まさせてやりましょう! レルフィー、行くわよっ! パッフパフパンは愛の素! ミュモル!」

ミュモルに続きを促され、レルフィーは意を決して叫んだ。

「とろ~りクリーム命の星!」
(ちょっと! それ、ウカのセリフ!)

小声で突っ込まれたが、ミュモルはすぐに気を取り直した。

ミュモルはすぐに気を取り直した

「でも、それでわかったわ。あなた、あますず祭りのこと、大好きでしょ?」
「ええ、もちろん!」
「やっぱりね! なら、あたしがあなたにぴったりの決めゼリフを考えてあげる! え~と、フルーツたっぷりで、甘酸っぱい……? あとは~、冒険者には、勇気の……」

その時、マートが突如として猛烈な攻撃を仕掛けてきた。

「きゃあ! はぁ……はぁ……だ、だんどり無視……!? ま、まさか、恐怖のアドリブ回ッ!?」

何かに取り憑かれたように暴れ狂うマート。その一撃は重く、防ぐレルフィーの手を痺れさせた。
激しい攻防の末、約十分の格闘を経て、ついにマートを打ち倒すことに成功した。

か、勝てた……の、かしら……?

「グアアアアッ!!!」
「か、勝てた……の、かしら……?」
「……グーグースピースピー……」
「ね、ねてる!?」

マートはうずくまったまま、いびきをかいていた。そんな状況に、ミュモルはこれがショーだと思い込んでいるようだ。

あなた……セリフとかないの!?

(ちょ、ちょっと! あなた……セリフとかないの!?)

セリフがあるわけもないが、マートは寝言を呟いた。

「……むにゃむにゃ、まくら……」
「まくら? あら、あそこにあるのがその枕なのかしら?」

離れた場所に可愛らしい枕が落ちていた。

離れた場所に可愛らしい枕が落ちていた

「うーん、とりあえず勝てたみたいだし、アレをしておきましょうか」

ミュモルはポーズを決め、ショーの締めに入った。

「パッフパフパンは愛の素! ミュモル! 甘酸っぱいベリーグッドな勇気の光! レルフィー! ふたりが織りなす虹の橋! アイドルデュオ、マリトッツォ! ファイナル・エターナル・ハート!!!」

アイドルデュオ、マリトッツォ! ファイナル・エターナル・ハート!

その掛け声と共にマートが目を覚まし、「うわあぁぁぁぁぁ!!!!」と凄まじい速さで逃げ去っていった。

「やったわね! みんな、あたしたち『マリトッツォ』を応援してくれてありがとう!」

しかし、周囲には観客など一人もいない。

「……。おかしいわ……あたしのファンも来ていないし……まだ終わっていない、のかしら?」
「ええ、終わっていないわ」
「そうね! ル・ルデの庭へ行かないと! マートにとどめをささないと終わらないわ! あっ! その枕、きっとだいじな小道具だから忘れずに持ってきてね!」

レルフィーは「マートの枕」を拾い上げ、ル・ルデの庭へと向かった。


ル・ルデの庭には、マートと、見慣れた二人のおじさん――シャミとシェモがいた。

「うぐぐ……。よくわからんが、このワシのせいで大変なことになっとったということか……」
「よしよし、わかってくれればいいんだ。ちょいとその目をつむってくれれば、抑えきれずに夜な夜な暴れているチカラを、このオレたちが……」

このワシのせいで大変なことになっとったということか…

そこへ、ミュモルが息を切らして駆け込んできた。

「ちょっと待って~! あたし無しでさっさと話を進めないでちょうだい! さあ、レルフィー、マートに枕を見せてやって! それが証拠よ! バタリア丘陵で夜な夜な暴れている怪しい影! その正体を現しなさい! 魔王ウルゴア!」

シャミとシェモが「あちゃ~」と頭を抱えた。

「ははぁ! こりゃマズイな、オレに任せろ! そこのお嬢さん、これはショーじゃないんで。まだオーディションの段階なんで」
「えっ!? そうなの!?」
「へへ……ゴブリンどもの祭りに、こちらのマートも出たいとかなんとか言ってくれてね」
「オーディション用の演技に迫力がありすぎて、この騒ぎ。いやはや、迷惑かけまくり」

二人の巧みなごまかしに、ミュモルは怒った。

あなたのせいで勇冥祭が中止になっちゃうところだったのよ!?

「そのとおりよ! あなたのせいで勇冥祭が中止になっちゃうところだったのよ!? それってかなり本末転倒じゃない!?」
「うぐぐ……。それがな~んにも覚えてなくてのう……。知らんうちにまた、青あざも生傷も増えとるし、そのせいで記憶がないのかのう……」
「ぎくっ!」

ミュモルが露骨に動揺した。

「マジか! 記憶を失うほどボコられて!?」
「ちっ! 誰だ、お年寄り相手にムチャしやがったヤツは!?」
「ぎくぎくっ!」
「いやいや、仕方のないこと。悪かったのはワシのようじゃし、怖がってた人はホッと胸を撫でおろしてくれるじゃろうて」

誰だ、お年寄り相手にムチャしやがったヤツは!?

マートの言葉に、シャミとシェモも調子を合わせる。

「そうだな。ゴブリンどもも勇冥祭の計画をまた練り始めたみたいだしな。あ、お嬢さんも勇冥祭に興味があるならゴブリンどものところに行ってみるといい。ヤツらの気が変わらないうちに、急いでな?」
「わかった! さっそく、行ってみるわ!」

ミュモルが走り去った後、シャミがレルフィーに向き直った。

「さて、と。そこのあんた、見知った顔だな。俺は、シャミ。こっちはシェモ。ニンゲンでいう兄弟みたいなもんだ。俺たちどっちも、あんたのことはよく知ってるさ。で、マートのことだが、あんたはわかってるんだろ? あのお嬢さんに言ったことは全部デタラメさ」

真実を知ればミュモルが気に病むため、二人は嘘をついたのだという。
マートが暴走した原因は、ミュモルが差し入れたゆで卵だった。

「その差し入れこそ、ゆであげた卵だ。その卵が問題でよ、あんたもよく知ってるアレだったんだよ」
「ま、まさか…蝕世の卵!?」
「ズバリ、それだ!」

あんたもよく知ってるアレだったんだよ

劣化していたとはいえ、「蝕世の卵」を食べた影響がマートの暴走だけで済んだのは奇跡だという。起きている間はパワーを抑え込めたが、眠ると化け物と化していたのだ。

「へっへっへ。ただ、あんたたちが戦ってくれたおかげでな。卵のパワーの暴走が落ち着きつつある。後は任せておけ。俺たちの手でパワーを吸い取って、封じておくからさ。今晩からは、夜な夜なさまよい暴れてる怪しい影も、いなくなるだろうさ」

シャミからお礼として「獣人印章」を受け取ったレルフィー。奇妙な事件はこうして幕を閉じたが、蝕世の卵の脅威は身近なところにも確実に迫っていた。

レルフィー
レルフィー
オートマトンが、マートオトンに見えてしょうがない、今日この頃です。

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初稿:2026年7月7日
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