今回は、蝕世のエンブリオミッションの通算39番目、第10回2番目「シマっていこうぜマッグビフ」を進めていきます。

攻略手順
このミッションを開始する前に、酸性腐葉土とウォーターメロンを用意しておくと、スムーズに進められます。酸性腐葉土とウォーターメロンについては後述。
ボヤーダ樹の1階マップF-4テンキー6あたりにいるMandragora Wardenに話しかけます。選択肢は「マッグビフを知っている?」を選びます。
Mandragora Wardenに酸性腐葉土をトレードし、イベントを見ます。選択肢はどれでもOK。
Mandragora Wardenに話しかけます。選択肢は、「マッグビフはどこへ?」もしくは「マッグビフが好きなものは?」を選びます。
Mandragora Wardenにウォーターメロンをトレードし、イベントを見ます。選択肢は、上から何番目に?→「3番目」、左から何番目に?→「3番目」を選びます。
酸性腐葉土について
「酸性腐葉土」は、競売(その他→雑貨2)に出品されていればそれを落札すればいいのですが、在庫がない場合は、アビセア-タロンギのマンドラゴラ族(パキポディウム)NM「Gancanagh」から入手する必要があります。
Gancanaghは、アビセア-タロンギI-8テンキー4 ~ H-8テンキー6の範囲にある???に「アルカリ腐葉土」をトレードすると出現します。
「アルカリ腐葉土」は、周囲にいるマンドラゴラ族(パキポディウム)「Pachypodium」から手に入ります。
ウォーターメロンについて
「ウォーターメロン」は、ラバオF-7テンキー8あたりのゴブリンの露店Scamplixから、常時購入できます。
ストーリー
グルームファントムがカオスの側に寝返った今、残りのディスティニーデストロイヤー団の仲間たちは大丈夫なのか。ジャボスの言葉が胸に引っかかっている。
「他の、ディスティニーデストロイヤー団……大丈夫か……? 心、大丈夫か……?」
ジャボスによれば、ひとりはボヤーダ樹に帰ったらしい。レルフィーは、まずマッグビフの様子を確認するため、ボヤーダ樹へと向かった。
陽の光もまばらに届く鬱蒼とした巨木の森。苔むした根が絡み合い、空気はしっとりと湿っている。マンドラゴラたちの領域へ足を踏み入れると、監視員のマンドラゴラが一体、ちょこんと立っている。
マッグビフを知らないかと尋ねてみたが、「ピィ……!」と鳴くばかり。何かを欲しがっているようだった。酸性腐葉土を差し出してみると、マンドラゴラは嬉しそうに葉っぱを揺らし、木の牢のような場所を開けて中へ案内してくれた。
そこに、マッグビフがいた。どうやらここを安全な隠れ家にしていたらしい。あのいつも騒がしく、どこにいても目立つマッグビフが、こんなに静かに光合成しているのは初めて見る光景だった。
こちらに気づいていないようだ。レルフィーは、そっと肩をつついてみた。
「ピエエエエエエン!」
素っ頓狂な悲鳴が、ボヤーダ樹の天蓋にまで響き渡った。
「オマエガイル……カナラズ……ジケンガオキル……!!! ココハヨソモンガクルトコジャネエ! ケエレケエレ!」
面と向かって「事件を呼ぶ女」扱いされるのは少々傷つくが、今は気にしている場合ではない。
「でも、グルームファントムが……」
「ピエエエエエエン!」
レルフィーの言葉を遮るように、マッグビフは再び叫んだ。
「カイサンシタ! ディスティニーデストロイヤーダンハ、エイキュウニ……メツボウシタノダ!ワレワレハ『イラナイコ』ニナッタンダヨー!」
涙声でそう叫ぶと、マッグビフは両手で頭を抱え、どこかへ走り去ってしまった。追いかけなければ。だが、マッグビフがどこへ走ったのか、この広い樹海ではすぐには見当がつかない。
困ったレルフィーが監視員のマンドラゴラに目を向けると、また何か欲しそうに体をもぞもぞさせている。ウォーターメロンを差し出すと、マンドラゴラは目を輝かせ、嬉しそうに二度三度と跳ねてから、こっちだと言わんばかりに誘導した。
そこには、整列したマンドラゴラがずらりと並んで光合成をしていた。小さな白色の体がきちんと等間隔に並び、みな同じように上を向いてで直立している。その中に――ひとり、明らかに周囲のマンドラゴラとは異なる者が、同じポーズをとって必死に溶け込もうとしている。
本人は完璧に紛れているつもりなのだろう。マンドラゴラたちは特に気にしていないのか、あるいは仲間だと思っているのか、隣の大きな異物を受け入れてのびのびと並んでいる。
レルフィーは一瞬で見つけてしまった。迷うことなく、まっすぐにそいつの前に立つ。
「ドウシテワカッタ……ミンナノナカ……カクレテタノニ……」
「色が違うし……」
「ドコガチガウンダ?」
どこもかしこも違う。だがマッグビフは納得しない。隣のマンドラゴラを指差し、こいつとは背の高さがちょっと違うだけだ、と胸を張る。
でも、色が違う。
一緒に生まれたから匂いは同じはずだ、と言い張る。
でも、色が違う。
髪型だって最先端の流行に沿って整えてもらったばかりだ、とポーズを決めてみせる。
でも、色が違う。
レルフィーが繰り返し「色が違う」と告げると、マッグビフはしばらく考え込み、自分の腕と隣のマンドラゴラの葉っぱを見比べ、首をかしげ、もう一度レルフィーの顔を見て、恐る恐る尋ねた。
「ドウシテワカッタ!?」
「そもそも、他のと全然違う」
マッグビフは、しばし沈黙した。それから、どこか達観したように呟く。
「……ソウカ……マッグビフハ、ユイイツムニムニ……ホカノヤツラトハ、イッセンヲカクシタソンザイ、ッテコトナンダナア……」
何か盛大に勘違いしている気がする。だが、その勘違いでマッグビフが元気を取り戻したのだから、突っ込むだけ野暮というものだろう。レルフィーは黙って頷いた。
「フッ。ワカッタゼ。ユイイツムニムニノ、マッグビフニハナシガアルンダロ。トクベツニキイテヤロウ」
唯一無二の存在だと自ら悟ったことで、妙に気が大きくなったらしい。レルフィーは、この機を逃すまいと腰を据え、これまでのいきさつを語って聞かせた。
ムバルポロスに各地の獣人が集結したこと。カオスの復活を前に、恐怖と甘言に揺れる者たちがいること。そして――グルームファントムがカオスの味方に回り、あの大会議の場で暴れた一部始終を。
マッグビフは最初は腕組みをして偉そうに聞いていたが、グルームファントムの名前が出た瞬間、みるみる顔色が変わった。
「……ググググ、グルームファントムガ!? ムバルポロスデ、バクダンナゲシテオオアバレ!?」
マッグビフは目を剥いた。
「ナンデソンナ、ダイソレタコトシチャッタノカナ? ウチノコニカギッテソンナコト……」
保護者のような口ぶりで頭を抱えた。「ウチノコニカギッテソンナコト……」と呟くあたり、本当に仲間思いなのだろう。だが、不意にぱっと表情が変わった。
「デモ……ソレッテ……オオケガ、スッカリナオッタッテコトダネ!? オメデタイコトジャアネェノ!?」
あの爆発で瀕死だったグルームファントムが、ムバルポロスで暴れまわるほど元気になった。それはつまり怪我が治ったということではないか。
カオスに寝返ったという大問題はどこかへ吹き飛ばして、大怪我からの復活だけを喜ぶ。その呆れるほどの前向きさに、レルフィーはしばし言葉を失った。
だが、その楽観は長く続かない。たとえカオスに寝返ったとしても、グルームファントムは仲間だ。マッグビフの目にみるみる使命感の炎が灯る。先ほどまで「解散した」「要らない子だ」と泣いていた者と同一人物とは思えない切り替えの早さだった。
「オット、コウシチャイラレナイネ、ムバルポロスニイカナイト」
こじらせていた感傷はどこへやら、マッグビフはもう行動する気満々だった。だがその前に、もうひとりの仲間にもこの知らせを届けなければならない。
「ソノマエニ、ダッツボグニオシエテヤラナイトナ。グルームファントム、ブジダッテコトヲ」
ダッツボグは、グスゲン鉱山の一番深いところにいるはずだという。大怪我を負ったグルームファントムが無事だったと伝えたい――たとえそれが、カオスの力によるものであったとしても。
マッグビフは、いつもの軽口が嘘のように真剣な目でそう言った。仲間のことになると行動が早い。腰にぶら下げた袋から二万ギルを取り出し、路銀だと言ってレルフィーに押し付けると、こう付け加えた。
「コレヤルカラ、オマエモクルトイイネ。……キットマタ、メンドウナコトニナルシネ……」
最後のひと言だけは、いやに実感がこもっていた。レルフィーが関わるところ、かならず厄介ごとが起きる――ディスティニーデストロイヤー団が身をもって学んだ経験則が、マッグビフの声をほんの少しだけ震わせていた。
だが、レルフィーは見逃さなかった。走り去ろうとするマッグビフの背中が、来た時よりも、ずっとまっすぐ伸びていたことを。

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