今回は、蝕世のエンブリオミッションの通算40番目、第10回3番目「101番目のダッツボグ」を進めていきます。

攻略手順
このミッションを開始する前に、極太ワームの新鮮肉を6個用意しておくと、スムーズに進められます。極太ワームの新鮮肉については後述。
グスゲン鉱山MAP5H-7テンキー3あたりにいるHedrovに話しかけ、イベントを見ます。
Hedrovに極太ワームの新鮮肉を6個トレードし、イベントを見ます。
極太ワームの新鮮肉について
「極太ワームの新鮮肉」は、競売も宅配も不可。グスタフの洞門I-6~J-7あたりに生息するワーム族(エントゾアン)「Boulder Eater」から入手する必要があります。ユニティワープCL128グスタフの洞門でワープ推奨。
2回に1回くらいはドロップしていたので、ドロップ率はそこまで悪くない印象。
ストーリー
ダッツボグに会うため、レルフィーはグスゲン鉱山の最深部までやってきた。光の届かぬ地の底で出迎えたのは、ミーブル族のヘドロフという者だった。
「オラ、ヘドロフ。アンタさま、だれだ? ダッツボグさまのにおいするけどよ?」
ダッツボグの知り合いだと名乗ると、ヘドロフは「コブンのひとりだっていうのか?」と目を丸くした。そこへ、息を切らしたマッグビフが追いついてきた。ミーブルの兄弟たちに別れを告げてきたらしく、疲れた顔をしている。
「キョウダイタチ、ヒトリヒトリニワカレヲツゲテタラ、ダイブカカッチャッタヨ……マエノトキヨリ、キョウダイフエテルシネ、バイバイン♪」
「アンタさま、マッグビフだな? ダッツボグさまのコブンのくせにどこいってた?」
「コブンジャネエッテノ! ダチダッテイッテンノニ!」
マッグビフが噛みつくが、ミーブルにはこの抗議が何一つ通じた試しがないらしく、マッグビフはすぐに諦めて肩を落とした。とにかくダッツボグに会わせてほしいと頼むと、ヘドロフは「とってもいそがしいから、あってくれないとおもうぞ」と言いつつも、迎えに走っていった。
しばらくすると、坑道の奥から重々しい足音が近づいてきた。
「ダッツボグおうじさまのおなーりー!」
ヘドロフの高らかな口上に続いて、ダッツボグが堂々と歩み出てきた。
「うぉっほん! くーるしゅうない!」
「マタコレカヨ! マダヤッテンノカヨ! ダッツボグノ『オウジサマ』ゴッコ!」
マッグビフが大げさに額を押さえた。ミーブルたちのあいだで「王子様」として振る舞うダッツボグのこの芝居を、マッグビフはもう何度も目にしているのだろう。だがダッツボグは「おーうじさまごっこでーはないぞ、れっきとしたおーうじさま、なのだ」と堂々と言い放った。マッグビフが呆れつつも大事な話があると切り出そうとするのを遮り、ダッツボグはレルフィーに向き直った。
「うぉっほん! くーるしゅうある!」
「ンナ!? ナニガアルッテ!?」
「レルフィー……わーが101ばんめのこぶんよ……おーうじさまに、みーつぎもの、ないのか?」
まさかの展開である。大事な話を持ってきたのに、まず貢物がなければ門前払いらしい。しかも百一番目の子分扱いだ。レルフィーは困惑したが、マッグビフが「グルームファントムと初めて来た時も同じことを言われた」と苦笑しながら思い出話を語り始めた。
あちこちで蝕世の卵の話をして仲間を探したけれど、どこでもきょとんとされて門前払い。プライムウェポンのことなど誰も覚えておらず、忘れられた「一発屋」扱いだった。何度も何度も断られて、気が遠くなるような旅だった。だからこそ、ダッツボグを見つけたときの喜びは格別だったのだろう。ようやくここでプライムウェポンを知っている者を見つけて嬉しかったから、どうしてもダッツボグを仲間にしたくて、グルームファントムと張り切った。だが貢物に何がいいのかわからず、何度もやり直しをさせられて――。
「ダメネ、ヤリナオシ!ッテイワレテサ……アレ? ソレハチガウキオクカナ?」
何やら記憶が混ざっているようだが、ともかく。ダッツボグは再び「たのむぞ、101ばーんめのこぶんよ」と告げて引っ込んでしまった。マッグビフによれば、極太ワームの新鮮肉を六つも持っていけば、王子様も格好がつくだろう、とのこと。
レルフィーはグスタフの洞門の最奥地へ向かった。自分の背丈よりも大きな巨大ワームが、じめじめした洞窟の奥でうごめいている。何度も切りかかり、泥まみれになりながら奮闘して、ようやく新鮮肉を六つ手に入れた。
グスゲン鉱山に戻り、ずしりと重い肉をヘドロフに渡す。
「じゅるり……! おおきいミーブルもちいさいミーブルも、おおよろこびのいっぴん!」
よだれを垂らしながら大喜びで受け取ると、ヘドロフはすぐにダッツボグを呼びに走った。
再び、あの口上が響く。
「ダッツボグおうじさまのおなーりー!」
「うぉっほん! くーるしゅうない!」
「マタコレカヨ!」
「101ばーんめのこぶんよ……すーばらしいみつぎもの、あっぱれ! まーずは、おーれいのしな、うけとるがよい! くーるしゅうなかった!」
ダッツボグから二万ギルと、オーケストリオン譜を受け取った。マッグビフが「コレデハナシヲキイテクレルヨウニナッタカナ?」と尋ねると、ダッツボグは意外にも、こう答えた。
「はーなしきくひーつよう、ない」
「アーンダッテエエエエ!?」
「なーにもいわずとも、こーぶんもとめていること、わかるぞよ。わーがちから、ひつようなのであろう」
見透かされていた。ダッツボグはヘドロフを呼ぶと、旅立ちの時が来たと告げた。ミーブルの平和、世界の平和を守るための旅なのだ、と。ヘドロフが「なんときゅうなたびだち!」と慌てふためく中、ダッツボグはまっすぐ前を見据え、威風堂々と歩き出した。
だが――ヘドロフの姿が見えなくなるほど離れた途端、ダッツボグの背筋が縮こまった。
「み、みんなごめん……び、びっくりしましたよね……」
いつもの、おどおどとしたダッツボグに戻っている。あの堂々とした王子様と同一人物だとは、知らなければ誰も信じないだろう。
「モトニモドッテヨカッタナ、オウジサマ」
「え、ええ……り、りっぱにやらないと、た、たみをみちびけないから……」
マッグビフが首をかしげた。ミーブルというのは、ずっと地下にいたせいで世間知らずの箱入りで、素直に言うことを聞いてしまうから、他の者に利用される。特にひどいのが同じ地下暮らしのモブリンだ。ミーブルを当たり前のようにこき使い、それが何百年もの「あたりまえ」になってしまっている、と。
「ダッツボグ、そ、それを、かえたいのです……。で、でも、すごく、むつかしいのです……」
ダッツボグは静かに語った。ミーブルは、地面を掘るとき、前のミーブルの真似をして掘る。そう習う。みんなの真似をし、みんなと同じことを繰り返すのが当たり前で、モブリンの言うことを聞くのも、当たり前になってしまっている。それは違う、と言っても、すぐには変わらない。
「だ、だから、た、たくさんの、こぶんがいることにして、こ、こぶんのまね、させて……み、みんなの、あ、あたりまえ、かえれたら……そ、そうおもって、いるのです」
王子様ごっこの裏にあったのは、ミーブル族の未来を変えたいという、不器用だけれどまっすぐな願いだった。みんなが真似する「あたりまえ」を、モブリンへの従属から、自分たちの王子への忠誠に塗り替えたい。途方もなく遠い道のりだが、ダッツボグはひとりで、それに挑んでいたのだ。レルフィーは、あの芝居がかった振る舞いを少しだけ違う目で見るようになっていた。
「ソノアタリノコトハ、マンドラゴラニハワカラナイネ。デモマアガンバレ」
マッグビフの返しは素っ気なかったが、その声音は温かかった。グルームファントムも「自分を信じることが大事だ」と言っていたな――そう付け加えて、ふと口をつぐむ。
「……ッテ、ソンナコトヲイッテタワリニ、サクットウラギッタッテコトカ~?」
「う、うらぎった……? そ、そういえば、なんでマッグビフ、こ、ここに、きたんですか……?」
「ソレガネ、タイヘンナコトニ、ナッチャッタミタイナノヨ?」
レルフィーとマッグビフは、これまでのいきさつをダッツボグに語った。
「え、えええっ!?」
ダッツボグは目を見開いた。だが最初に出てきた言葉は、やはり――。
「あ、あんな、ひどいキズのグ、グルームファントムが……げ、げんきになった、すごくうれしいです!」
「ダヨネ~?」
マッグビフと同じ反応だった。仲間が生きていた、それだけで嬉しい。カオスに寝返ったという深刻な事実は、彼らにとっては二の次なのだ。ディスティニーデストロイヤー団の絆の在り方が、そこにあった。
「で、でも、どうして、グ、グルームファントム、もうじゃと、て、てをくんで、あばれたのでしょう? さ、さっぱり、わ、わかりません……」
「ダヨネ~? ダカラチョックラ、ハナシヲキキニイッテミヨウカナト、サソイニキタワケナノネ」
ダッツボグは一瞬だけ目を伏せ、それからしっかりと顔を上げた。
「い、いきましょう! い、いざ、ムバルポロスへ!」
「オマエモナ~!」
マッグビフがレルフィーの背中を叩く。
ディスティニーデストロイヤー団は解散したはずだった。プライムウェポンは砕かれ、リーダーは敵に回った。だがこうして、ひとりまたひとりと仲間のもとへ駆けつける者たちの足取りは、かつてと何ら変わりなかった。

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